深夜。 お風呂には入らず、 傷口をビニールで覆って、 シャワーですませた。 温まった体で、 ベッドに横になると、 あいつの言葉を思い出す。 『今度、2人で、 出かけないか?』 あいつの誘いに、素直に頷いてしまったのが、不思議だった。 うれしいような、 恥ずかしいような、 何ともいえない 感情がこみ上げてくる。 そのことばかりに考えが集中し、 父の話をしてしまったことに気づいたのは、 次の日になってからだった。