心臓がドキリと跳ねて、 一瞬で涙がとまる。 「う、ほんとだ。 ちょっと硬いな。 それに、なんか塩辛いぞ。」 「え? 味は、ちゃんと甘かったよ?」 私が、確かめるように、 生クリームを指でぺろりと舐めると、 あいつは、少し微笑んで、 私の頬に親指を滑らせた。 「塩辛いのは、お前の涙の味か。」 あいつの目が、いたずらっ子のように きらきら輝いている。