「おい、そろそろ起きろよ。」

肩を揺すられて、
目を覚ますと、

あいつの顔がすぐ目の前にあった。


頭の中が、もやがかかったみたいに
はっきりしないまま、

ゆっくりと起き上がる。


「ほら、食えよ。」

あいつは、そう言って
私に夕飯を差し出した。

お盆の上には、
ご飯とお味噌汁、私の好物の肉じゃがが乗っている。


「いらない。」

そう言うと、私は、
また横になって、あいつに背を向けた。

あいつの顔を見るのが、
今の私には、
辛すぎた。