帰り際、直樹君に かばんを持ってきてくれたお礼を言うと、 私だけに聞こえるように、 耳元にささやかれた。 「やっぱ、ひかりちゃんはさ、 清といる時が、一番元気が良くて、 自然体だよね。 俺、 あきらめた方がよさそうだな。」 直樹君は、 少しだけ寂しそうに 笑っていた。