その時、保健室のドアが開いて、 直樹君と栞が入ってきた。 「あ、ひかり! 良かった。やっと気づいた。」 やっと?? 「良かったよ。 ぜんぜん目ぇ覚まさないから、 心配したよ~。 ほら、ひかりちゃんのかばん持ってきたから、 清と一緒に帰んな。」 そう言って、 直樹君は、私のかばんを差し出した。 帰るって? 「あ、でも、その前に着替えなくちゃ。 ほら、着替えも持ってきたからさ。」 栞の手には、私の制服が握られていて。 「大丈夫だよ。 そんな心配しなくても。 授業出れるから。」