学校に着くと、
いつも私より先にいるはずの、
栞の姿がない。
携帯を見ると、
栞からメールが入っていた。
『ごめん、
今起きた。
2時間目には間に合うと思う。』
1時間目は、
2クラス混合の男女別体育。
栞がいないと、
あまり得意でない体育の授業は、
なおさら、
やる気がでない。
体操服に着替えると、
ため息をつきながら、
体育館に急ぐ。
「今日は、バスケをやる!」
先生の張り切った声に、
ますますやる気が萎える。
バスケは特に苦手だ。
そもそも、ボールをつきながら、
走るなんて、
そんなこと誰が考えたのか?
しかも、
あんな高いところにある、
小さなネットにボールを
通すなんて。
150センチそこそこの
身長しかない私には、拷問だ。


