「あぁ?
なんで俺のせいなんだよ?
お前の縮れ麺みたいな髪が
ここまできれいになったのは、
どこのどなた様のおかげだ?」
うっ、
と私は言葉に詰まった。
「だ、れ、のおかげだ?」
私がひるんだ隙をのがさず、
あいつが言葉を重ねた。
「・・あん・た。」
蚊の鳴くような小声でつぶやく。
「聞こえねぇな。」
あいつは、調子に乗って、
意地悪そうに、
声を張り上げた。
絶対、聞こえてたに違いない!
「あんたのおかげだって
言ってんのよ!
本当に、ど~も
ありがとう
ございましたぁ~!!」
私は、
大声で、
丁寧に礼を言ってやった。
もちろん、
いかにも、
ココロのこもってない風に、
わざとらしくだ。


