清は、本から顔を上げて、私のほうを見た。 「なんだ?怪我が痛むのか? 痛み止め買ってくるか?」 私が清の顔を見れなくて、 怪我をした指を触っていたので、 そう思われたらしい。 「え、そうじゃないんだけど。」 清の顔は、真剣だ。 吸い込まれそうな、 茶色の瞳。 思わず見とれてしまう。 「なんだよ、 人の顔じろじろ見て。 俺に惚れたのかよ?」