「栞ってやっぱり、
すごいな。」

私は、心の底から感心した。
想いを口にすることが、
とても勇気のいる事だと、
身にしみたばかりの私には、

なおさら栞がまぶしく見える。

「うちさ、
ついこの間、
親が離婚してさ、

その時は、
恋愛とか結婚なんて、
馬鹿らしいって
思ったりもしたけど、

やっぱり、
人を好きになるのって、
エネルギーがいるけど、
楽しいよね。」

栞は、
さらりと、
親の離婚を口にした。

「え?
栞のとこって、
離婚したの?」

驚いて、
私が聞くと、
栞は、頷いた。

「そうなの。
私の義務教育が終わったら、
離婚するって、
前々から決めてあったみたいでさ、

春休みに、母親の実家に
引っ越して、今は、ジジババと、
4人暮らし。」