『私も歩けばイケメンにあたる♪』


夜、
すっかり寝る準備も整うと、

私たちは、
女3人だけになった部屋で、
たわいもない会話に
花を咲かせていた。

学校の先生や、
近所の犬の話、

テレビドラマや、
好きな音楽の話。

でもやっぱり、
一番盛り上がるのは・・

「そういえば、雅は、
彼氏がいるんでしょ?
どんな人?」

栞は、
彼の話を聞きたくて
うずうずしていたみたいだ。

「別に、普通だよ。
かっこいいっていうと、
嘘になる、みたいな?」

「そうなの?
顔は気にならないの?」

「彼氏ができる前はね、
かっこよくて、
運動神経が良くて、
とか、

色々理想はあったけど、
自分を好きになってくれた人って、

なんか、

特別に見えてきちゃうんだよねぇ。」

「きゃ~、
それって、
おのろけ?」

栞は、
枕を胸に抱え込んで、
高い声を出す。

「そんなんじゃないけどさ~。」

雅も、少し照れているが、
まんざらでもなさそうだ。

少し、落ち込んでいた雅が
気になっていたので、
そんな様子が
素直に嬉しかった。