『私も歩けばイケメンにあたる♪』


「おい、
そんなに痛いのか?」

あいつは、
私の様子がおかしいのを、
怪我の痛みと勘違いしたらしい。


「だ、大丈夫。
でも、こんな怪我したの
久々だから、
ちょっと驚いちゃって。」


もちろん、
私がおかしい本当の理由とは、
まったく関係ないが、

誤解してもらったままの方が
助かるので、
怪我を口実にすることにした。


あいつは、
眉間にしわを寄せた。


近すぎる距離に、
私の心臓は、
またしても早鐘を打ち始めたが、

あいつは、体を引くと、
救急箱を片付け始めた。