その事が少し羨ましくも思える。

 自分もその答えに到達したいと思えるが一向にその答えの手掛かりの欠片さえ見当たらなかった。



 考えても答えの出ない、実体を掴めないもどかしさに橘は考える事、―――自我を求める事を止めた。