その高さはゆうに5メートルを超えていた 足がすくむ でも…これで楽になれる その気持ちの方が強かった 美香はスッと目をつぶり上体を前に傾けた 楽しかった日々の記憶が蘇る 自然と涙が溢れてきた お母さん…ごめんなさい… 今まで…ありがとう そして……さようなら。 美香が身を投げようとしたその時だった 『死ぬの?』 暗闇から声が聞こえてきた 美香は慌てて踏み止まった 高々と波が押し寄せる まるで真っ暗な怪物が口を開けて待っているように見えた ………