理科実験室はまだ開いていなかったのでドアの近くの壁にもたれ掛かった。


「私は男じゃないから分かんないけど、濡れた服着て中身スケスケの女の子と家でふたりきりになったらドキドキするもんだと思うよ。あわよくば…なんて考えちゃうかもしれない」


「でも進藤くんに限ってそんなことはないっしょ」


「進藤くんだって年頃の男の子よ。なんとも思わないわけないじゃないの。心の中では結構ドギマギしてたんじゃないかなぁ」


『僕も年頃の男子です。あなたに分からないことはいろいろあります』


あら……もしかして進藤くん………。


「進藤くんて何考えてんのか分からないとこあるからよく分かんないけどね」


「ああ、うん、たしかに」