日直当番

おしゃれなティーカップに注がれた紅茶の湯気の向こう側に進藤くんは座る。


コトリと小さな音を立てて自分のティーカップをテーブルに置いた。


座るときに足を組むのは進藤くんの癖らしい。


そう言えば進藤くんの私服は初めて見た。


ロングティーシャツとジーンズという至って普通の格好だけど、いつも制服か学校指定ジャージしか見たことがないので見てて新鮮だ。



……沈黙。



「ねぇ、なんか喋ってよ」


「僕の苦手なことは話題提示です」


「あっそ」


私は紅茶を一口ふくんだ。


「……ねぇ砂糖ない?」


「やれやれ」というように、進藤くんは鼻でため息をついて立ち上がった。