日直当番

しばらく経ってキッチンの方から「ピー」とやかんの鳴る音が聞こえた。


「お湯が沸いたようですね」


進藤くんは立ち上がり、やかんのもとへ行ってしまった。


あーあ、なんでいつもこうなのよ。


いつも私は進藤くんの前を歩くことができない。


先を越したかと思うとすぐに追いついて私を追い抜いていく。


ちくしょう いつか進藤くんを負かしてやる!!


「はい、どうぞ」


進藤くんの声でふと顔を上げる。


進藤くんは既に眼鏡を掛けていた。


「睨まないでください」


「別に睨んでません。目つきが悪くてすいませんー」


進藤くんは少し首を傾げて口角を上げた。


どういう意味だよ。