「うっそ」


「嘘じゃありません」


ちょっと待てちょっと待て。


これはヤバい展開なんじゃないの?


ひとつ屋根の下に男と女がふたりっきりだよ。


ほらだって 男の人ってあれじゃん ねぇ こういうときって その 犯してはいけない過ちというか あの 理性が なんたらって オオカミになっちゃうんだぞ的な というか あの えと えと えと…―――――


「さっきから何をやってるんですか?」


「ぁああぁ!ごめんなさい何もしないでください私を食べないでくださいおかしな気は起こさないでください あと えと えと その……」


「何を訳の分からないことを言ってるんですか?」


進藤くんは腕組みをして少し考えてから「あぁ」と言って何かに納得した。