「顔色が悪いようですね。座ったほうがいいと思いますが」


「大丈夫大丈夫。おっと」


カーブの途中で足がフラついて倒れそうになる。


私の肩は進藤くんの両手に支えられた。


「大丈夫ではなさそうですね。座りましょう」


進藤くんは私の手からタオルを取り、座席に敷いた。


既に立つ気力も失いつつあるので、黙ってそこに座った。


進藤くんは少しだけ間を空けて私の隣に座り、足を組んでバッグの中から取り出した本を読み始めた。