日直当番

「ちょっとやめてよ!いいよ自分でやるから!」


進藤くんのタオルは使用済になってしまったので、仕方なく拭いた。


『次は下田、下田です。出口は左側です』


停車駅に着くとみんなぞろぞろと出て行き、入ってくる人はほんとんどいなかったため、空席が多くなった。


進藤くんは近くの空席に座った。


「座らないのですか?」


「座席、濡れちゃうから」


「たしかに」と進藤くんは頷いて正面を向いた。


私は扉の近くの手すりに寄り掛った。


体が冷えて寒くなってきた。


こころなしか頭も痛い。