日直当番

「進藤くんなんか永井さんと仲良くやってればいいんだよ!」


「神崎さん、ここは電車の中ですよ。お静かに」


進藤くんは人差し指を唇に当てて言った。


私は慌てて口をつぐむ。


「着きましたね。降りましょう」


相変わらず進藤くんは飄々としていていけ好かない。


私ばっかりムキになってバカみたいだ。



「ちょっとついて来ないでよね!」


「帰り道が同じなので仕方ないじゃないですか」


悲しいことに進藤くんとは電車を降りてからもしばらくは帰り道が同じだ。


私は進藤くんと並んで歩きたくないので少し早足で先を歩く。


後ろでクスクスと進藤くんの笑う声がする。私は後ろを振り向いた。


「は!?今笑ったでしょ。意味わかんない」


「なんでそんなに必死なのかと思って」


私は何も言わず前に向き直り、進藤くんと別れるまで黙って歩いた。