日直当番

皆川と別れたあと、電車の時間まで少しあったので駅前の本屋さんに立ち寄った。


雑誌コーナーで雑誌を立ち読みしていると見たことのある人影が視界の端に映った。



進 藤 くん だ。



反射的に雑誌で顔を隠す。


進藤くんは私の丁度向かい側の雑誌コーナーをウロウロしていた。


早くどこか行ってくれないかな。


進藤くんは向かいの雑誌コーナーから立ち去りそうもなかったので、私は顔を隠していた元あった場所に雑誌を置いてそろそろとその場を離れようとした。


「神崎さんではないですか」


げっ。うそ。見つかった。


「なんですかこそ泥みたいに」


「あ、進藤くん。いたんだ。気づかなかった」


私は引きつった笑みを顔に張り付けて振り向いた。