「なに」

由理は不機嫌そうに眉をひそめた。


「由理ちゃんどうしたのー?」


皆川は笑顔をつくってひらひらと手を振った。


私もつられて笑顔をつくった。 


「トイレ行ってくる」


由理は席を立って足早に教室を出て行ってしまった。


「なぁなんで怒ってんの」


「わかんない」


由理は昼休みが終わるぎりぎりまで教室に戻ってこなかった。