「そこ、仲良しこよしで何机くっつけてんだ。どっちか教科書忘れたのか?」


周りは私たちを見てくすくす笑っている。


なんだよ「仲良しこよし」って。

 
「黒板が見えないのでノートを見せてもらっているんです」


「そうか。眼鏡忘れたのか?」


「壊れました」


ごめんなさい。


「それじゃ仕方ないな」


進藤くんは私のノートを見ながら授業を受け始めた。


私が見られているわけじゃないのになぜだか緊張してしまう。


私は進藤くんの横顔を盗み見た。


私のノートを見ながらシャーペンを忙しなく走らせている。


ノートをしばらく見ていた目がふと流れて私に向けられた。


目が合った気がした。


「どうかしましたか?」


私のシャーペンを持つ手が止まっていた。


「……別に」


これ、いつまで続くんだろう…。