このまま学校にいても仕方ないので私は家に帰ることにした。


進藤くんも家に帰るらしい。


私と進藤くんは昇降口で外の様子を少しの間黙って眺めていた。


雷が鳴った。


「ひゃっ」


私は進藤くんの背中の後ろに隠れた。


隠れたところで何かが変わるわけではないのだけど。


「雷様にへそがとられるって迷信、信じてるんですか?」


「信じてないよそんなの。子どもじゃないんだから」


とてもひとりじゃ怖くて帰れない…。


今更進藤くんに一緒に帰ってとか言えない…。

「……一緒に帰りませんか?」


「はいぃ??」


進藤くんは突然切り出したのにびっくりして声が裏返った。


「僕、すごく目が悪いんですよ。ただでさえ視界の悪いこの中をひとりで帰ったら危ないじゃないですか」