「……あの…ホントにごめんなさい」


「珍しく素直ですね。どうかしたんですか?」


「反省してんの私だって。いろいろ悪かったなって思ってんの」


取り付けが終わって進藤くんは脚立から床に下りた。


「それじゃあ眼鏡を割ってしまった代わりに…」


進藤くんは宙を見上げて何かを考えているようだった。


「眼鏡のない間、僕の目になってください。眼鏡を割った代償です」


「それだけでいいの?」


進藤くんは静かに頷いた。


「案外時間がかかってしまったようですね。あとは僕がやっておきますから、神崎さんは部活に行ってもいいですよ」


「この時間に行っても大して練習できないからいいよ。私も最後までやるから」


ふたりでバラバラになった机たちを戻して、進藤くんが脚立を用具室に返しに行っている間に私は日誌を書いて先生に提出した。