「あー、うん、あれだよ。これを機にコンタクトデビューなんてどうよ。絶対そっちの方がイケてるって」


私はわざと明るい口調で言った。


「僕は眼鏡がいいんです。しかししばらくは眼鏡のない生活のなりますがね」


「ごめんなさい…」


進藤くんは割れた眼鏡を拾ってハンカチに包んだ。


「弁償しようか?」


「いいですよ。僕はそんなにがめつくありません。それより蛍光灯、緩んでいるんじゃないですか?」


「ぷっ」


「何がおかしいんですか?」


「なんか、想像通りだなぁって思って」


「?」


進藤くんは倒れた脚立を立てて登り始めた。


私は脚立の下に回って揺れないように両手で押さえた。