日直当番

「この広い世界で日本という恵まれた国に生まれたことは幸せなことなのだ。100人のうちの8人である私たちには、世界の恵まれない人たちのためにやらなくてはいけないことがある」


小田原先生はだいたいそんなかんじのことを言った。


それから先のことは覚えていない。





「ねぇ空が真っ暗だよ。進藤くん」


「そうですね。神崎さん」


私は場違いなほどの明るい声を出して言った。


「今日の講演会、なかなかおもしろかったね。進藤くん」


私は進藤くんの背中に向かってにこやかに言った。


「そうですね。神崎さん」


「でもどうして私たちが教室掃除をしなきゃならないんだろうね。進藤くん」


「それは講演会の時間が押して、掃除の時間が潰れてしまったからですよ。神崎さん」


私は持っていたほうきを床に放った。


「なんで日直がこんなことしなきゃなんないの!?あーやだやだ」


私は近くにあった椅子にドカッと腰を下ろした。