カナカナカナカナカナ… 蜩がなく頃、僕は山近くの裏道を通っていた。 すっかり姿が見えるようになったヒグラシが宙空に視線を遊ばせながら、ぽつりと呟くのが聞こえた。 「そういえば、あれも名前は"ヒグラシ"らしいな」