今日は、本の修正をしていた為に、いつもより帰る時間が遅かったから、僕は足を速めた。




(早く帰らないと。遅くならないうちに…)
「なぁお前。」 




不意に背後からかけられた声に思わず心臓が飛び上がる思いがした。

振り向くとそこにはひょろ長い少年がたってる。


さっきいただろうか?




この暑いのに靴の甲まである長いマントですっぽりとその身を隠している。

逆光で顔ははっきり見えないがアーモンドのような輪郭の眼が印象的だった。







わけがわからず呆けている僕に彼は続ける。






「お前は『在る』と思うか?
『ない』と思うか?」





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