エピローグ〜『ただ響き渡る旋律は』〜






場所はアンティークな雰囲気の喫茶店。


マスターの前に座るのはドール。

「そんなの私は気に入らないわ。」

可愛い顔のドールは口を尖らせる。

「そうですか。」

マスターはにっこりと優しげな笑みを浮かべる。
その笑みに相反してドールの眉間の皺は深まるばかり。
やがて乱暴にカウンターに手を打ち付ける。

「このアールグレイティーにミルクミルフィーユがないなんて考えられない!!」

「我慢なさい。」

マスターの笑みは崩れない。












ある日、何処かの秘密の隠れ家。
秘密の場所のお話。



【『日陰の住人空を見た』終】