プロローグ〜『アノ唄』〜





やけに暑かったあの夏。
蝉の鳴き声が頭ん中を占領する片隅で、
なぜか涼しげなその一角を目指して陽炎をおった。


暑くて暑くて死にそうだった夏のほんの五日間。







あの唄の下で過ごした陽炎のような記憶―――――…。