今日は子供がいなかった。


「おそばです。」

「ありがとう。」

「あら?」

一瞬女性は俺の顔を
覗き込んだ。


「え?何か?」


「ごめんなさいね~
ちょっと目もとが似てるのよ。」



「おとうさん、
このお客さん
たっちゃんに似てるね。」


「俺もさっき
お客さん入ってきたとき
驚いたんだ。」



二人は俺が、誰かに似てると
盛り上がっている。



「あれ?今日はお孫さんは
いないんですか?」


「たっちゃん、知ってるの?」


「知り合いがここで会って
すごく癒される男の子がいたって
だから僕も会いに来たんです。」



「あら?たっくんが?」



「今日は、ママと
買い物に行ったのよ。
ママがお休みでね。」



「そうなんですか。
残念だな。」



俺はそばを食べ終わった。



「また、来てください。
いつもはそこの小上がりで
一人で遊んでるのよ。」