俺は父親のようにソワソワした。


  はやく・・・・
  素良・・・・


その時携帯が鳴った。


「もしもし。」
素良だ!!


「今から行くけど
歩来と連絡とれないんだ。」


「とにかく早く、
歩来がおまえに連絡するなって
言うから・・・
まだ生まれてないから
早く来い!!」


「まじか?」



「いいから、歩来も子供も
おまえがくるの待ってるんだ。」



俺はやっと
ほっとした・・・・
これで父親の役目は
素良に返上した。



奈楠は一緒に分娩室に入っていた。



  大丈夫か・・・・


奈楠の本音を聞いて
胸が痛くなった。
俺の気持ちを見透かされていた・・・

四季のこと
病気のこと


そして俺のことを
何より愛してくれていること



真剣に考えなければ
いけないと思った。