鳥のくせに生意気なそいつが俺は嫌いだ。

と言うか、焼き鳥にして食ってやりたいほど大嫌いだ。

せっかくのうららかな気分を害された俺は、そいつをにらんだ。

もちろん、そいつは知らん顔で毛づくろいである。

Q太郎だかB作だか何だか知らんけど、めっちゃムカツクなあ!

マジで焼き鳥にするぞ、このヤロー!

「…い、おい!」

「何!?」

俺は怒鳴って、声の主に視線を向けた。

声の主は俺の剣幕にビビって、
「…お、おはよう」

呟くようにあいさつを返した。

何だ、アズにぃか。

声の主こと彼の本名は桜狩梓(サクラカリアズサ)、22歳だ。

和菓子屋を経営している俺ン家の隣で、父親と一緒に仏壇店を経営している。