あたしは急いでお父様のもとへ向かった。 「お父様!今すぐ戦争をやめて」 「なんでだね、マリア」 あたしは深呼吸をして、お父様に言った。 「あたしは…ジュンが、好きだから」 言ってしまった。 お父様に、知らせてしまった。 お父様は、黙ったまま。 この沈黙が、怖かった。 「ジュンとは…エナメル王国の、王子か」 「はい…」 あたしが返事をすると、お父様は困ったように、口を開いた。 「ダメだマリア。戦争は、やめられない」 .