それから数日後。 「お父様、今なんて…」 「だから、言葉の通りだ。エナメル王国との、戦争を開始する」 あたしのお父様は、この国の王様。 そして、エナメル王国とは――ジュンの、国。 「なんで?考え直してよ…!」 別に、ジュンを守るためじゃないけど、あたしは争いごとなんか大嫌いだから。 「もう手遅れだ、マリア。準備は始まっている」 お父様は冷たく言い放つと、あたしの前を去っていった。 「なんでなのよ、お父様…」 あたしは一滴の、冷たく悲しい涙を流した。 .