クローバー

「約束だよ」
「ああ」
ヨツバの頭を撫でセイは部屋を出る。
さて、記憶に囲まれたこの城からどう逃げだそうか。部屋の前にはいつもサヤが見張っているからヨツバを連れ出すのは困難だな。特にアッシュは常に警戒心丸出しだから、いつ何処で見ているか分からない。全く面倒くさい城だ。
ポリポリと頭を掻いていると、突然サヤがポツリと呟いた。
「それにしても、ホントに何も覚えてないんですね…あの女」
「お前も女神の正体知ってたのか?」