主役の二人について。


トキは、強さの中に弱さを持ちつつ…貫いているものはあるけれど、中途半端な部分もあり。
そういう、ただかっこいいだけじゃなく、うだうだしている部分というか、誰にも見せていない心の奥にある陰とか。暗い部分をきちんと書きたかったです。

だいぶ不器用という設定だったので、とにかく気持ちの伝え方が滅茶苦茶で…。なのにたまにクサイ台詞を吐くという…。

「これ、どうなんだろうなあ…」と、読者さんの反応が怖くて、何度も冷や汗をかきましたが、何故か予想以上に人気があってびっくりしました。
ありがとうございます!


東子は、実は初めは「クールなお嬢様的な人」というつもり…だったんですが、感想ノートに「天然ですね」と書き込まれることが多々あり、びびりつつも「もうこれは天然でいくか!」と途中から開き直りました(適当人間…)。


よく泣く、悩む。というマイナス思考な彼女ですが、だんだんと色々なものに向き合い始め、逃げずに立ち向かっていく姿を書いていて、私もしっかりしなきゃなと、思ったりもして。

書き手であるはずの私が、逆に東子というキャラクターから学ぶこともありました。



他にも、個性的な面々が多く登場した「スタッカート」ですが、キャラクターの多くにモデルが居ます。
加えてなるべく身近なテーマで書いていたので、私的に大分リアルなお話となりました。



そして。
このお話の大きな部分となる「音楽」。

執筆中は、本当にたくさんの音楽に支えられました。ロック、クラシック、ジャズ、昭和の歌謡曲…あげるとキリがありませんが、どれも素敵なものばかりで、いつも刺激を与えてくれました。


読んでくださっている方の存在と、音楽が、私の、書くエネルギーでした。