あの日、あの瞬間、崩れたこころと、音。 何度も千切れては繋ぎとめて、諦めずに進んで。 悩んで、悩んで、やっと手に入れた、今の私。 ヒナの背中に回した腕に、力を入れる。 それに応えるように、私の背に回ったヒナの腕にも、ぎゅっと力がこめられた。 ありがとうも、ごめんねも その時は、ただの言葉でしかなかった。 胸を熱くする、この名前も知らない感情だけが真実だと思った。 日が暮れて、驚いた顔で藤森先生が練習室に入ってくるまで―― 私たちはずっと、二人で抱き合っていた。