スタッカート




翌日。


授業が終わり、放課後。
誰も居ない教室で窓際の席に座り、私はケータイを手に、二度目の深呼吸をしていた。


無人の教室というのは、何故か落ち着く。
いつもは騒がしいそこが静けさに包まれると、心が透き通っていくような感覚になるのだ。

不安が、だんだんと小さくなっていく。

目を閉じて、開く。



私は、アドレス帳からその名を選び、通話ボタンを押した。