目を見開いた私に、佐伯は気まずげに目を逸らした。
「…いつまでもこのままでいいなんて思わない。
もうそろそろ、ケリをつけたいんだ。自分の、この中途半端な気持ちに。
伊上は、アイツの連絡先を知ってるんだろう?」
そう聞かれてぎこちなく頷くと、佐伯はこちらに目を向けて言った。
「じゃあ、…頼む。俺がアイツの高校まで会いに行って、そこで話したいんだ」
「高校に…?」
首をかしげた私に、佐伯は頷く。
「本当は、以前から…アイツは、俺たち家族に頭を下げるために、何回も俺の家まで来ていたんだ。
だけど俺がその度に、顔も見ずに帰させていたから。
…だから今度は俺から、アイツに会いに行きたいんだ」
佐伯はそう言うと、真っ直ぐに私を見て。
私は、小さく頷いた。

