息を吐いて、俯く。 沈黙が流れた。 隣のハチさんは何も言わずに、静かに目の前に広がる夕景を見つめている。 …言ってしまった。 溜めていたものは吐き出したはずなのに、何処からやってきたのか分からない罪悪感は沈黙が長ければ長いほど膨れ上がり、しこりは更に大きくなっていくような気がした。 やっぱり、私なんかが言っていいことでは無かったんじゃないか。 きゅっ、と唇を噛む。 けれども 「あいつのこと……大事に、思ってくれているんだね」 沈黙を破ったのは、そんな言葉だった。