―軽蔑されて、もう全部終わりだ。 ―俺にはそんな資格、無いくせに。 トキの過去を聞いた日から、その言葉が頭から離れなかった。 苦しげな表情、潤んだ瞳。 記憶の中のトキは、脆く、弱くて。 彼は、たった一人ですべてを抱え込んで、こんなにも苦しまなければならないのか、と。 何もできない自分が 悔しくて 悲しかった。 .