背中から純白のライトを浴びギターを持った男の人が、マイクの前に立っている。 長身で細身の姿がシルエットになって、ステージからは遠い私の眼にもはっきりと写った。 伏せていた顔がゆっくりと上がって―― 切れ長の鋭い瞳と、目が合った。 その瞬間、強張っていた体から、ゆるゆると力が抜けていく。 深い深い闇に閉ざされていたようなその感覚も全て、潮が引いていくように消えていって。 心の奥で、熱い火が灯った。 ――……トキ。