…本当に

何だって、わかってしまう。


そのまま、こくりと小さく頷いた私に、ヒナは目を細めた。


暫くの沈黙が流れて

私は何かに背を押されるように、ぽつりぽつりと、言葉を零した。


清水さんのこと。
急にトキの態度が変わったこと。

「ひとりは怖い」という言葉。


ヒナは

穏やかな表情のまま、白いカーテンが揺れる窓の外に視線を移して

陽の眩しさに目を細めたあと、こちらに向き直ってしずかに言った。



「もっとたくさん…トキくんのこと、知りたいと思ったんだね」



蝉の声に混じって


窓の外、はしゃぐ子供の声が聞こえた。