伊上東子、17歳 高校二年生。
私の純潔は今日で幕を閉じそうです……




「何考えてんだお前は。」


彼―「トキ」が、青ざめている私を見て呆れ顔で言う。

「お前の体に興味なんて全くないから安心しろ」

それって女としてどうなんだろうか…。
私は安心する所のはずなのに少しだけヘコみながら、背中を押されるままお風呂場へ入った。



温かいお湯。

冷えた体がその甘い誘惑に負け、
軽くシャワーを浴び、湯舟に入った。

熱い湯に浸かると、疲れた体が少しずつほぐれていき、ほっとして息をはく。

いや…あれ?

私は何してるんだ…?


知らない男の子のアパートに連れてこられてお風呂借りて…


何してるんだ……?






あの鋭い目が浮かぶ。
体中に痺れわたる恐怖。

こ、殺されたらどうしよう…
それとも売られる?

頭から足先へと血の気がひいていくのがわかる。
急いでお風呂から上がり、いつのまにか用意されていた着替えのスウェットを着て、足音をたてないように、荷物を抱えて玄関へと向かう。


そこで、後ろから伸びてきた手に両肩をつかまれ、私は叫び声をあげた。