それからの日々は、本当に穏やかで。 私は佐伯に背中を押されながら、昼休みになるとピアノの練習をしに音楽室へ向かった。 清水さんも、やっぱり普通どおりの態度で――陰口も、あれ以来聞いていない。 正直、ほっとしている。 …けれど、この安心感の理由は別のところにあるのだと、分かっていた。 「逃げ場所」がある、安心感。 結局のところ、それなのだ。 .