音楽室への階段を一段一段登る。


足を踏み出すたびに、心臓がトクンと鳴った。


気を抜けばじんわり視界が滲む。


…私って


こんなに、泣き虫だったっけ。


何だかもう、ただただ、嬉しくて
胸が温かくて



本当に幸せ者だと、あらためて思った。


軽く鼻を啜って


私は、音楽室の重いドアを開けた。