意地悪なのか、優しいのか、性格もよく分からないし。
気付いたらいつのまにか不機嫌になっているし。
…その理由も、全然分からない。
私、何かしたのなあ。
むう、と小さく唸って、意味も無く爪をいじってみる。
考えたって、きっとわからない。
わからないけれど知りたい。
知りたいけれど聞く勇気が無い。
近くに居ても、何処と無く距離を感じてしまう。
それ故に、踏み込む勇気が出ない。
それを一度自覚すると、何だかものすごく悲しくなって、私は静かに目を伏せた。
その時、だった。
軽やかなギターの音色が、耳に届いた。

