吐き出すようにため息をついたトキは、どすん、と錆びたパイプイスに座りなおすと、立ったままのわたしをじろりと睨んできた。 なによ、という言葉を心の中で呟いて私もにらみ返すと、呆れたような顔をしてこちらを見つめてくる。 長い沈黙のあと、苦々しげな表情のまま、トキの口が動いた。 「……座んねえのか」